英語の各月は、古代ローマで制定されたローマ暦の名称を引き継いでいます。
ローマ建国の王が定めたロームルス暦では1年を304日として10か月に分け、最初の4か月にギリシア神話やローマ神話の神々の名を当て、続けて第5の月、第6の月、と10まで番号を振りました。
10ヶ月の暦は季節とのずれが大きいため、2代目の王が2か月を追加し355日を1年とするヌマ歴を導入しました。
2か月の追加で、ロームルス歴での最初の月(Martius)が3番目となり、後半の番号が振られた月の意味が2か月ずれることになりました。(*1)
カエサルがエジプトの太陽暦をローマに持ち帰り、1年365日のユリウス暦を制定します。ユリウス歴では新年をヌマ歴で追加された月(Januarius)の初日からとしました。
その後、カエサルの養子オクタウィアヌス(ローマ帝国初代皇帝アウグストゥス)により変更が行われます。
現在日本でも使用されているグレゴリオ暦は、ユリウス歴を改良したものです。
月 | 英語 | 読み上げ | 由来 |
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1月 | January | ローマ神話の双面神ヤーヌス (Janus) から。 ヌマ歴で Januarius として追加された月。 |
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2月 | February | ローマ神話の月の神フェブルウス (Februus) から。 ヌマ歴で Februarius として追加された月。 ヌマ歴で年の最後の月だったため、うるう年の日数調整に使用されている。 |
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3月 | March | ローマ神話における戦と農耕の神マルス (Mars) から。 ロームルス歴で Martius として、農耕の始まる新年の月と定められた。 |
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4月 | April | ギリシア神話の女神アプロディーテー (Aphrodite) ロームルス歴で Aprilis として定められた。 アプロディーテーはローマ神話ではウェヌス(Venus)に当たります。 |
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5月 | May | ギリシア神話またはローマ神話の女神マイア (Maia) から。 ロームルス歴で Maius として定められた。 |
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6月 | June | ローマ神話の女神ユーノー (Juno) から。 ロームルス歴で Junius として定められた。 ユーノーはローマ最大の女神で結婚を司り、ギリシア神話の最高位の女神ヘーラー (Hera) に当たります。 |
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7月 | July | ガイウス・ユリウス・カエサル(ジュリアス・シーザー Julius Caesar) から。 ロームルス歴では第5の月 Quintilis でしたが、ユリウス歴で Julius に改称されました。 |
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8月 | August | ローマ帝国初代皇帝アウグストゥス (Augustus) から。 ロームルス歴では第6の月 Sextilis でしたが、アウグストゥスが Augustus に改称しました。 |
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9月 | September |
ロームルス歴で第7の月 September として定められた。 sept- で「7」の意味を持つ。 |
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10月 | October |
ロームルス歴で第8の月 October として定められた。 oct-,octa- で「8」の意味を持つ。 octave オクターブ、octopus タコ など。 |
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11月 | November |
ロームルス歴で第9の月 November として定められた。 ラテン語で「第9の」という意味の「novem」 |
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12月 | December |
ロームルス歴で第10の月 December として定められた。 dec-,deca- で「10」の意味を持つ。 decathlon 十種競技 など。 deci- は「10分の1」。 decimal 小数、deciliter デシリットル など。 |
*1 暦Wiki 英語の月名の由来 (国立天文台)で、2か月ずれがヌマ歴で始まっている記載がありましたので、ユリウス歴でのずれとした記載を訂正します。
暦Wiki 月の日数に2か月ずれの始まりがヌマ歴の説明があります。(2019-11-01)